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2017年9月28日木曜日

年に一回は食べたくなるお菓子

今年のおかげさんデーで販売するこの時だけのアントルメに「オーナーシェフのおかげんさんデー」を、企画するようにスタッフから強要された。切り口は、普遍的?な私の判断基準「自分が食べて美味しい」サブタイトルはつけていないが、年一回は食べたくなるお菓子です。

予約状況を見ていると、段突人気がないのがオペラ・カフェだ。年に一度は食べたいから、大学の授業メニューに入れている。作業量が格段に多くなるので、学生たちにはちょっと気の毒なくらい忙しいメニューだが、バタークリームを使ったお菓子では、これを外す意味がない。


店で販売しても同じで、売れないお菓子だ。先日、和菓子と洋菓子の製造販売をされている社長から「洋菓子は原材料費が高く、手間暇かかるけど売値に反映できないから大変ですね」と、同情?された。その通りですとしか言いようがない。


思いを持って、手間暇かけてショーケースに並べても、食べログなどで「普通やん」とか、書かれると笑うしかない。このジョコンドの中心までしっかり火を通すと、この上にエスプレッソコーヒーシロップを浸しても生地がじゅくじゅくにならんとサクッと切れてアーモンドの香ばしい味わいとコーヒーの香りと苦味、バタークリームの柔らかい旨味が一緒に溶け出し、それら渾然とつながる味わいをチョコレートが包み込んで溶けていく。食べ終わった後に鼻腔に戻ってくるコーヒーの香り長く残るバターとチョコの味。これがオペラやねん。みたいな話は意味を失う。


味わいは主観や好みで変わってくる。さらにいえば、気分や体調でも変わる。自分が美味しいと思うものが、全ての人も美味しいと思うのは傲慢だ。どんなに美味しいものでも回数を重ねると、飽きてくる。「前は、もっと美味しかったのに」などと、自信満々にいう人がいるが、どうでもいい、あなたの話だ。この年齢で作るオペラがある。それだけの話で、この味わいは再び出会うことはない。今の味を作る。そんな味わいを楽しんでいただけたら嬉しい。

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